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居住者と非居住者の区分
日本の所得税法は「居住形態」によって個人を区分しており、その区分によって課税される税金の範囲が変わってきます。
外国人は、自分が以下のどの区分に該当するかを把握する必要があります。
居住者(永住者)
日本国籍を有している、または過去10年間に日本に住所・居所を有していた期間の合計が5年以上ある外国人
居住者(非永住者)
日本国籍を有していない、かつ過去10年間に日本に住所・居所を有してた期間の合計が5年以下である外国人、かつ非居住者ではない外国人
非居住者
日本に住所を有さない外国人、かつ日本に1年以上の居所を有さない外国人
外国人労働者の所得税
所得税とは・・・
所得税とは、お金を得たときに支払う税金のことです。
日本では、所得のある人は所得税を支払う義務があり、1月1日から12月31日までの1年間にあった所得に対して課税される税です。
納めるべき所得税の範囲と税額について
居住者(永住者)
・日本国内と海外で生じたすべての所得
居住者(非永住者)
・日本国内で生じた所得
・海外で生じた所得で、日本国内で支払われたものや海外から日本へ送金されたもの
居住者(永住者・非永住者)は、日本人と同様に給与所得の源泉徴収税額表により源泉所得税を徴収し、年末調整により年税額の精算をします。
非居住者
・日本国内で生じた所得のみ
非居住者は原則、20.42%の税率で源泉徴収が行われます。ただし、日本との間で租税条約を締結している国から来ている外国人は、租税条約が適用される場合があります。租税条約に関する届出書を管轄税務署に提出することにより免税されることがあります。
租税条約による取扱い
源泉徴収の対象となる国内源泉所得の支払を受ける非居住者等が、日本において源泉徴収される所得税及び復興特別所得税について、租税条約に基づき軽減又は免除を受けようとする場合には、給与の支払の前日までに「租税条約に関する届出書」を提出する必要があります。
[例]日中租税協定 第21条
専ら教育を受けるため日本国内に滞在する学生で、中国の居住者であったものが、生計・教育のために受け取る給付又は所得については、日本の税金を免除する。
[例]日越租税協定 第20条
専ら教育を受けるため日本国内に滞在する学生で、ベトナムの居住者であったものが、生計・教育のために受け取る給付については、日本の税金を免除する。ただし、日本国外から支払われるものに限る。
※この『専ら教育を受けるため日本国内に滞在する学生』とは学校教育法第1上に規定する学校(高等学校・大学・大学院等)に通う学生のことで、日本語学校・専門学校に通う学生の場合は租税条約の適用を受けないので注意です。
以上2つの租税条約の例を挙げましたが、中国人は日本企業から受け取った給料は免税となり、ベトナム人は日本国内の企業から支払われた給料は免税にならないので20.42%の徴収となります。
外国人労働者の住民税
住民税とは・・・
住民税とは、住んでいる自治体に支払う税金のことで、道府県民税と市町村民税の2つからなっています。
納めるべき住民税の範囲と税額について
居住者(永住者&非永住者)
支払われた所得に対して住民税が課税されます。税率は日本人の従業員と同様です。
非居住者
住民税は課税されません。