インターンシップとは、就職・転職のミスマッチを無くすためにアメリカで始まった仕組みです。就職前に職場体験をして採用側と就職希望者の様々な相違を減らす目的があります。
日本の大学に通う大学生がインターンシップする場合、期間は1日だけのものや数週間のもので、1日あたりの時間は3~5時間程度と受入企業によって様々です。さらに給料に関しては、無報酬が一般的です。
しかし、今回この記事で説明する在留資格『特定活動 告示9号 インターンシップ』は少し異なります。どのように在留資格を取得するのか、日本での待遇や税金についても解説していきます。(在留資格『特定活動』については別記事を御覧ください。)
在留資格『特定活動 告示9号 インターンシップ』とは?
出入国管理及び難民認定法(入管法)には以下のように書かれています。
要約すると、
◆教育課程の一部であり単位認定される
◆海外大学と受入企業との契約が必要
◆インターンシップ生は受入企業より報酬を受けられる
◆1度の滞在期間の最長は1年である
◆受入企業の業務に従事する
という内容になっています。
外国の大学に在籍をしている学生となっており、学生の国籍は問いません。
受入企業の業種・職種
インターンシップは教育課程の一部であるため、大学生が専攻する学科や学部と受入企業の業務内容に関連性がなければなりません。
例えば、受入企業がIT関係の場合は【コンピュータサイエンス・テクノロジー学部・経営情報システム】であったり、ホテル・旅館・観光系の場合は【ホテル観光学科・ホテル経営学・ホスピタリティ・マネージメント学科・日本語学科】となります。
技能実習や特定技能などは、受入企業の業種により受け入れの制限がありますが、特定活動インターンシップでは業種の制限はされていません。
インターンシップ生への報酬
特定活動インターンシップでは、インターンシップ生への報酬が発生します。
入管法では明確な規定はされていませんが、各都道府県の最低賃金以上をインターンシップ生に直接払いし、時間外手当なども海外大学から学生を募集する際に細かく決めておく必要があります。
直接払いとなる理由は、この在留資格は海外大学と日本企業の直接提携を前提としており、第三者が間に入っている契約ではないためです。
インターンシップ生は日本入国後に銀行口座を作成し、
各都道府県の最低賃金の確認は厚生労働省ホームページへ こちらをクリック
インターンシップ生への待遇
インターンシップ生は、海外から日本に来る学生です。そのため受入企業が住居(寮)の確保をする必要があります。そして住居(寮)には、基本的に以下のものを入国までに準備することが大切です。
・寝具 ・冷蔵庫 ・電子レンジ ・炊飯器 ・洗濯機 ・Wi-Fi ・住居(寮)から実習先までの交通手段 など
寮費や光熱通信費などは事前にどれくらいかかるのか、学生の負担はいくらにするのかを事前に学生には伝えておく必要があります。
インターンシップ生にかかる税金
外国人も日本で生活をする際には税金がかかります。しかし、1年未満の滞在者や1年以上住んでいる人などによってかかる税金は変わってきます。
税金についての詳しい情報は
に掲載していますので御覧ください。ここでは、特定活動インターンシップで入国をするインターンシップ生へかかる税金を載せていきます。
所得税
インターンシップ生は、入管法で定められているように1度での入国は最長1年となっています。よってインターンシップ生は非居住者ということになります。
非居住者とは・・・
日本に住所を有さない外国人、かつ日本に1年以上の居所を有さない外国人のこと
そのためインターンシップ生にかかる所得税は、基本的に20.42%が課税されます。ただし、日本との間で租税条約を締結している国から来ている外国人は、租税条約が適用される場合があります。租税条約に関する届出書を管轄税務署に提出することにより免税されることがあります。
住民税
住民税とは、住んでいる自治体に支払う税金のことで、道府県民税と市町村民税の2つからなっています。
しかしインターンシップ生のような非居住者は、住民税の課税はありません。